「SEOって何の略ですか…?」
その言葉を口にした瞬間、会議室の空気が凍りついたように感じました。37歳。製造現場のリーダーから、突然Web担当へ異動した私の最初の一言です。
恥ずかしさで顔が熱くなり、「やっぱり場違いなんだ」という思いが込み上げてきました。
アラフォー世代のキャリアチェンジは、特に未経験分野への挑戦は勇気がいるもの。でも、その一歩を踏み出した先には、想像以上の可能性が広がっていました。
この記事では、製造現場のリーダーから37歳でWeb担当に転身した私の経験から、アラフォーからのキャリアチェンジを成功させるための具体的なステップをお伝えします。
目次
- なぜ37歳でキャリアチェンジを決意したのか
- 転機を迎えた「ある出来事」
- 未経験分野に飛び込む恐怖との向き合い方
- アラフォーからのキャリアチェンジ成功の5ステップ
- ステップ1:「無知」を資産に変える
- ステップ2:「翻訳力」を磨く
- ステップ3:「小さな成功体験」を積み重ねる
- ステップ4:「メンター」を見つける
- ステップ5:「学習習慣」を確立する
- アラフォー世代の「年齢の壁」を超える方法
- キャリアチェンジ後6ヶ月間の変化
- まとめ:今からでも遅くない、一歩を踏み出すために
なぜ37歳でキャリアチェンジを決意したのか
「たかっちさん、来月からWeb担当になってください」
ある日の終業後、そんな辞令が突然降ってきました。会社の組織再編で、通販部門の強化が決まったのです。
「えっ、でも私、HTMLすら書けないんですけど…」
上司は笑って言いました。「だからこそ、あなたにお願いしたいんです。製造現場での経験が活きるはずですよ」
実は、この話を聞いた時、私の中に小さな期待が芽生えていました。
製造現場のリーダーとして10年以上。確かにキャリアは安定していましたが、心のどこかで「このままでいいのか」という問いが常にあったのです。
- デジタル化が進む社会で、自分のスキルは通用するのか?
- このまま同じ仕事を続けることの将来性は?
- 新しいことに挑戦するラストチャンスなのでは?
こうした漠然とした不安と、新しい分野への好奇心。それが私のキャリアチェンジを後押しする原動力となりました。
転機を迎えた「ある出来事」
異動初日、私を待っていたのは「未知の世界」でした。
「CVRが下がっているので、LPのファーストビューを改善して、CTAのA/Bテストをしましょう」
何を言っているのか、まるで外国語のよう。PCを前に、呆然と座る私。
最初の1週間は地獄でした。わからない言葉をメモし、休憩時間に検索し、それでも理解できず、質問するのも恥ずかしい。
「37歳にもなって、こんなことでつまずいていいのか」
「若手に笑われているんじゃないか」
「やっぱり、製造現場に戻りたい」
そんな思いが頭をぐるぐると回り続けていました。
転機となったのは、あるシンプルな行動でした。
「わからないことを堂々とノートに書き出す」
製造現場での品質管理の習慣が、ふと蘇ったんです。品質問題が起きたとき、私たちはまず「問題ノート」に事実を記録していました。
そうだ、今の状況も同じではないか。
翌日から、私は真っ白なノートを用意して、会議や会話で出てくる専門用語をすべて書き留め、「何がわからないのか」を具体的に記録し始めました。
最初は恥ずかしかったけれど、ノートに向かう姿勢が変わると、不思議と周囲の反応も変わり始めました。
「たかっちさん、そのノートいいですね。僕も真似していいですか?」と若手デザイナーが声をかけてきたときは、正直驚きました。
未経験分野に飛び込む恐怖との向き合い方
キャリアチェンジで最も難しいのは、「わからない」「できない」という状態を受け入れることです。特にそれまでリーダーとして一定の評価を得ていた人にとって、「初心者」に戻ることは大きな心理的障壁となります。
心理学では「固定マインドセット」と「成長マインドセット」という概念があります。前者は「能力は固定的」と考え、後者は「能力は成長する」と捉えます。
キャリアチェンジを成功させるには、この「成長マインドセット」への転換が不可欠です。
私の場合、恐怖と向き合うために3つの考え方を意識的に取り入れました:
1. 「経験ゼロ」ではなく「異なる経験」と捉える
製造現場でのプロジェクト管理、品質管理、チームリーダーとしての経験は決して無駄ではありません。異なるコンテキストで発揮できる「転用可能なスキル」なのです。
2. 「質問すること」を恥じない
ある日、勇気を出して「SEOって何の略ですか?」と質問しました。すると意外なことに、周囲からは「基本に立ち返る良い質問ですね」という反応が。質問は「無知の表明」ではなく「学ぶ意欲の表明」なのです。
3. 「失敗」を「学習機会」と再定義する
最初のWeb解析レポートは散々なものでした。しかし「失敗した」と落ち込むのではなく「次はこうすれば良い」と捉え直すことで、成長の糧にすることができました。
アラフォーからのキャリアチェンジ成功の5ステップ
37歳からのキャリアチェンジを振り返ると、成功のために重要だった5つのステップが見えてきます。
ステップ1:「無知」を資産に変える
「知らない」ことは恥ではなく、むしろ貴重な視点です。初心者だからこそ見える盲点があります。
私がやったこと:
- 素朴な疑問をすべて書き留める
- 「当たり前」を疑う質問をする
- 異業種での経験を例に出す
実際にあった場面:マーケティング会議の席で「このデータ、顧客視点でわかりやすいでしょうか?」と質問したところ、「確かに、もっとわかりやすく可視化すべきですね」と議論が発展。製造現場での「顧客視点」の経験が活きた瞬間でした。
ステップ2:「翻訳力」を磨く
新しい分野の知識と、既存の経験をつなぐ橋を作りましょう。
私がやったこと:
- Web用語を製造現場の言葉に置き換える
- 製造現場のプロセス思考をWeb制作に応用する
- 両方の世界の人に理解できる表現を探す
例えば、「コンバージョン率」は製造現場の「歩留まり」、「ユーザー体験」は「顧客満足度」と置き換えることで理解が深まりました。
この「翻訳力」は、やがて私の強みになりました。Web部門と製造部門の架け橋として、双方の言語を理解できる貴重な存在になれたのです。
ステップ3:「小さな成功体験」を積み重ねる
一気に専門家になる必要はありません。小さな理解と成功を記録していきましょう。
私がやったこと:
- わかった用語にチェックマークをつける
- 1日1つの専門用語をマスターする目標を立てる
- 理解した内容を誰かに説明してみる
最初の1ヶ月は「SEO」「CTA」「CVR」など基本用語の理解だけで精一杯でした。でも、ノートにチェックマークが増えていくことが小さな達成感となり、モチベーションを維持できました。
ステップ4:「メンター」を見つける
新しい分野で成長するには、良きガイド役が不可欠です。公式の上司とは別に、気軽に質問できる「非公式メンター」を見つけましょう。
私がやったこと:
- 若手社員にランチに誘い、素朴な質問をする
- 他部署の経験者にコーヒー休憩で相談する
- オンラインコミュニティで質問する
意外だったのは、若手社員が最高のメンターになったこと。「教える」という行為は、教える側の理解も深めるため、若手にとっても良い機会になります。年齢差を気にせず、素直に教えを請うことが大切です。
ステップ5:「学習習慣」を確立する
継続的な学びなくして、キャリアチェンジの成功はありません。日常に学習を組み込む習慣を作りましょう。
私がやったこと:
- 朝の30分を学習時間に固定
- 通勤電車でのオンライン講座受講
- 週末3時間の「スキルアップタイム」設定
特に効果的だったのは「朝活」です。出社前の30分、誰にも邪魔されない時間に基礎知識を学ぶ習慣を作りました。この「小さいけれど確実な」学習時間が、知識の土台を築いていきました。
アラフォー世代の「年齢の壁」を超える方法
37歳でのキャリアチェンジで一番怖かったのは、正直「年齢」でした。20代の若手たちに囲まれ、「ついていけるだろうか」という不安。
でも、この「ノート法」のおかげで気づいたのは、年齢は障害ではなく、むしろ武器になるということ。
なぜなら、長年の社会経験があるからこそ:
- 「わからない」と素直に認められる円熟さがある
- 様々な経験から類推できる引き出しがある
- 人間関係の構築が上手くなっている
特に「人間関係構築力」は、年齢を重ねることで磨かれる貴重なスキルです。若手は技術力では優れていても、関係構築やコミュニケーションでは経験不足なことも多いのです。
また、キャリアの観点から見ると「残り時間」の感覚が、学びへの真剣さを増します。「あと20年以上働く」と考えると、新しいスキルへの投資はまだ十分に割に合うのです。
キャリアチェンジ後6ヶ月間の変化
異動から半年が経った頃、大きな変化を実感し始めました。
1ヶ月目
- 基本用語の理解に四苦八苦
- 会議の内容の半分も理解できない
- ノートは疑問符だらけ
3ヶ月目
- 基本的な業務フローを理解
- 簡単なレポート作成が可能に
- 若手に質問されることも増える
6ヶ月目
- Web解析の基本スキルを習得
- 製造現場の経験を活かした改善提案
- 「異なる視点」が評価される
特に印象的だったのは、上司の評価面談での言葉です。
「たかっちさんのノートが、チーム全体の成長を促進しています。専門家たちが当たり前だと思っていたことを、改めて考え直すきっかけになっているんです」
さらに驚いたのは、若手たちも同じように「ノート法」を始め、チーム内の知識共有が活発になったこと。私の「わからない」を記録する行動が、チーム全体の「学び合う文化」を作っていたのです。
まとめ:今からでも遅くない、一歩を踏み出すために
キャリアチェンジや新しい挑戦は、年齢に関係なく誰にでも訪れます。そんなとき、大切なのは「完璧を目指さない」こと。
まずは、あなただけの「ノート」を用意してみませんか?そして、次の3つを試してみてください:
- 今日知らなかったことを3つ書き出す
- それを知っている人に、具体的に質問する
- 理解できたことに、小さな達成感を味わう
この小さな一歩が、新しいキャリアへの大きな一歩になります。
Web担当になって1年以上が経った今、私はWeb解析士の資格も取得し、新しいフィールドでの専門性を徐々に築きつつあります。もちろん、まだまだ学ぶことはたくさんあります。
でも今は確信しています。
「未経験」は弱みではなく、新しい視点をもたらす強みだったと。
そして何より、キャリアチェンジの本質は、専門知識の獲得以上に、「学び方を学ぶ」ことにあったのだと。
あなたの前に立ちはだかる新しい挑戦も、きっと乗り越えられます。大切なのは、第一歩を踏み出す勇気と、「わからない」を認める素直さ。それさえあれば、年齢なんて関係ないんです。
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PS:今でもあの最初のノートは私の宝物です。たまに開くと、「SEO」の横に大きなクエスチョンマークが書かれているページが出てきて、思わず笑ってしまいます。あなたの「成長の記録」は、どんなものになるでしょうか?
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